2013年の国際成人力調査において、日本は経済協力開発機構 (OECD)24カ国中で最も優秀な成績を収めました。世界一優秀な民族と言っても過言ではない日本人。しかし、「人材ミスマッチ」「モチベーション」「一人あたりの労働生産性」など、全てが世界最低レベルという悲しいデータも出ています。事実、世界一優秀な労働者と世界一の技術があるはずの日本が、世界でなぜか負け続けている…一体なぜなのでしょうか?今回は国際成人力調査で優秀な結果を出した、世界一優秀な日本人ついてです。
北朝鮮からミサイルが飛びJアラートが不穏な警報を鳴らしても、日本はなんだかんだ平和。コンビニもファーストフードも豊富にありご飯は美味しいし、夜の繁華街を女性が一人で歩いても安全で治安もいい。世界第三位の経済大国で、欲しい物があればアマゾンでも24時間営業の店舗もたくさんあり好きなだけ買い物ができます。
もしかすると、「日本は世界で一番良い国なんじゃないか?」と多くの日本人が考えているはずです。このまま、日本人は未来永劫豊かに平和に問題なく生活していけるのでしょうか?
しかし、今後20年で東京都が丸まる消えてしまうのと等しい数の人口が、この国から減ると言われています。
さらにAIやロボットの台頭によって現在ある仕事の50%は消えてしまうそうです。
そもそも北朝鮮の核ミサイルが飛んできて一夜にして日本地図から消えてしまう地域が出て来る可能性も充分あるのです。漠然と平和で豊かな日常が続くと考えるのは愚かな事かもしれません。
さて現在20代の方の20年後、つまり結婚し家族や子供ができたり脂がのりきっりバリバリ仕事をこなしている40代になったとき、日本やあなたの生活はどうなっているのでしょうか?
今回は国際成人力調査で優秀な結果を出した、世界一優秀な日本人ついてのお話しです。
経済協力開発機構 (OECD)の国際成人力調査、圧倒的No.1!
2013年経済協力開発機構 (OECD)は加盟24カ国の16歳から65歳を対象に国際成人力調査を実施し結果を発表しました。国際成人力調査では各国の「読解力」「数的思考力」「問題解決能力」の3つを評価。日本は3つの調査結果全てで世界に圧倒的な優秀さを見せつけました。
「読解力」、1位ィ!
「読解力」では文章を理解、使用、説明する能力を測定しました。読解力は社会に関わるための知識など重要な能力です。 読解力のテストでは例えば、「薬品のラベルを読んでこれを理解する」「新聞記事の内容を理解する」「オンライン求人広告などのデジタルメディアを理解する作業」といった内容が実施されたそうです。
その結果、日本の「読解力」23ヶ国中一位。代表的な先進国のはずの米国は平均よりも有意に低い。
「数的思考力」、1位ィィ!!
「数的思考力」の結果も、日本は23ヶ国中1位でした。
「 ITを活用した問題解決能力」でも圧倒的1位ィィィ!!!
コンピュータを用いる「ITを活用した問題解決能力」でも第一位。
日本人は世界一ィィィ!!!
国際成人力調査の3つの結果全てで圧倒的な能力を示してしまった日本人。どう考えても日本人の基礎的な問題解決能力は高く、世界一優秀な民族と言っても過言ではありません。
外国と日本の労働者を比較しても、日本人のほうがやっぱり優秀だと思う
国際成人力調査を持ち出すまでもなく、私の周りに目を向けてみると、やはり外国人は勤勉ではなく、日本人はとても優秀で真面目だという印象があります。
私があった外国人と日本人の印象
私が海外旅行に行ったときの話ですが、外国人はやたらとしつこくまとわりついてくる割には、店に行っても「接客せずにずっとスマホをいじっている」「接客せずに店内で匂いのきつい弁当を食べている」「平気でぼったくる」「タクシーで理由がわからない乗車拒否にあった」などあまり良い記憶はありません。
「海外だから仕方ないか」と毎度ゲンナリします。だいたいどの国に行っても日本と同じレベルのサービスを受ける事はできません。
海外駐在員曰く「ありえない…」
東南アジアで海外駐在員として働く方曰く、「日本の常識では考えられないことが起きますよ。ま、まじかよ…、ありえない…みたいな。」
- 採用できた、と思った人材が音信不通に
- なんの前触れもなく突然辞める
- 勤務中に歌を歌いまくる
- 注意したら命を狙われた
日本では無いことですが、赴任先の東南アジアではよくあることだそうです。
中卒でもハイレベルの労働者が普通にいる国ニッポン、凄まじい底力
海外に比べれば日本人は仕事もできるし良く働くという印象があります。一例として、私がよく行くコンビニにとても仕事のできる女の子の話をしましょう。
お昼で一番混んでいる時間帯、何人も並んでいるのに、その子の列だけ面白いように人をさばいていきます。スピードが異常に早いんです。
常連客の顔と100種類くらいあるタバコをセットで覚えており、注文される前にタバコを出したり(超能力者なんでしょうか?)。
コンビニでは、現金払いだけでなくクレジット払いやSuicaやWAONなど支払い方法だけでも何種類もあるそうですが、複雑な支払いにも完全対応したくみにこなし。宅急便の受けつけもするし、やたらと平均体重が高い家族や、襟足の長い子供を持った家族が注文する大量の揚げ物関係も全て暗記し、超速で出します。そば職人のそば打ちやマグロの解体ショーを見ているようで、観察しているだけでもとても面白いです。
たまたま話をする機会があり、彼女の事を詳しく聞いてみると彼女は19歳、中卒でシングルマザーとのこと。たった時給800円ほどでこんな優秀な労働者が雇えるんですから、日本は凄いです。
日本人は世界一優秀ゥゥゥ!と言ってしまうと言い過ぎな気もしますが、おそらく実際かなり優秀な労働者がたくさんいるのでしょう。
世界一優秀なはずなのに…?なぜ、日本の未来に希望が持てないのか
国際成人力調査ではダントツNo1、多くの日本人が実際に「日本人は優秀だ」と実感しているはずです。私たちは「世界一優秀!」なうえ、「日本の技術は世界一ィィィ!!」「世界第三位の経済大国ゥゥゥ!!」と、誰もが内心思っています。
しかし、日本についての明るいニュースをあまり聞きません。日本って大丈夫なの?あれ、まてよ…都合の悪い面を勇気を持って見てみると…、日本が負け続けるているという事実が!?
日本のガラケーはiPhoneやAndroidなどのスマホに淘汰され…
世界ではじめて携帯電話でインターネットができた画期的なiモード。携帯電話で写真が撮れた写メール。今や世界の共通言語emojiは、ガラケーが最初、ドコモの絵文字は「人類の歴史を連綿と引き継ぐ」としてニューヨーク美術館のコレクションに加えられました。
世界の誰も真似できなかった夢の高機能携帯電話だったガラケー。しかし、iPhoneの登場とともに一気に廃れてしまいました。
今や言葉も話せないような赤ちゃんまでがスマホやタブレットを操作しています。一方ガラケーをいまだに使っているのは進歩から取り残された老人だけです。
キャリア頼みだった国内スマホメーカー、案の定淘汰されてしまう。富士通撤退で残るは3社のみに
日本の電機メーカーはかつてNTTグループなどと二人三脚で日本独自の携帯端末の開発を競い合い、巨額の収益を稼いできた。しかし、2007年に米アップルが「iPhone」を発表したことで市場が一変。国内各社の収益力は急速に低下し、撤退・再編が続く。00年代初めに11社あった主な国内携帯メーカーはソニーなど3社に減る。
日本の技術は世界一のはずだったのに、、家電はほぼ全滅…
家電のシャープは内心バカにしていたアジア企業(台湾・鴻海(ホンハイ))に買収され、「日本の技術は世界一ィィィ!」の象徴だった世界の亀山工場は閉鎖されてしまいました。
なぜシャープは鴻海に買収されたのか 日の丸家電“失敗の本質”
27年3月期、28年3月期と2期連続で2千億円超の最終赤字を計上し、資産をすべて売っても借金を返せない債務超過に陥った。
東芝も同じく非常に危険。つぶれるかもしれません。サザエさんどうなるんでしょうか?
東芝の倒産は秒読み段階に迫っている?その後にあるかもしれない事柄
家電は軒並み世界で負け続けているようです。
ITはもともとダメ
ITはどうでしょうか?日本にはITの世界的な企業がいないばかりか、我が国有数の大手企業がやったのは詐欺まがいの行為でした。
DeNA、WELQ問題で危機へ…50億円投資の新主力事業が全閉鎖、責任者はいまだに帰国せず
「クールジャパン!!」とか自画自賛しているうちに日本のアニメ業界もやばそう…
日本人しか言っていないんじゃないか?という説もある「クールジャパン」ですが、ジブリも実質解散。ジブリの影響を強く受けたというアメリカのピクサーは毎年良作アニメを量産していますが、日本では、マニア向けのアニメばかりで世界に向けて広く楽しまれる作品はもうでてこないのではないでしょうか?
そんな心配をするまに、黒船の魔の手が迫っているようです。
通常の日本アニメの数十倍もの予算を提示するNetflix
(町山智浩)でも、そこにいきなり10倍、20倍の予算を持ったものが飛び込んできて、いくら使ってもいいような世界になっているんで。大変なことになりますよ。たぶん。
日本車だけは負けないで…
まだ日本車は世界でも強い影響力を持っています。とはいえEVや自動運転で業界の地図がすぐにひっくり返る可能性もあります。日本車だけは、ガラパゴス化せず世界と優位に戦って欲しい物です。
ガラパゴスの悪夢再び。日本車メーカーがテスラに負ける構造上の理由
ラストワンマイルの壁がテスラによって壊されたということで、フレームワークとしては既に負けつつあるという理由です。
中国人上司に「日本人は使えない」と、いびられる日も近いのか…
リーマンショックがあった時期に、中国に外注されたカスタマーサポートセンターのドキュメンタリーを観ました。当時は人件費が安い中国に、日本人向けのカスタマーサポート部隊をアウトソースする企業が多かったのだそうです。
リーマンショックから10年、中国の人件費が上がっているようです。
ファーウェイ、中国企業初の日本工場を新設!人件費に差がなくなり、中国と日本の立場逆転
日本の優秀な社畜達を安くこき使えるとあらば中国企業もどんどん日本に進出してくることでしょう。
「お前たち日本人は本当にバカだな、こんな簡単な仕事もできないのか!?」と中国人上司に怒鳴られる日も現実になりつつあるようです。
おーい!日本人は世界一優秀な民族で、日本の技術も世界一ィィィ!!じゃなかったの?大丈夫なのか、ニッポン???
バブル超えの好景気のはずなのに…なぜ、私たちの生活は苦しいのか?
日本企業が世界で負け続けるニュースが増える一方、日本でのんきに生活している我々は悲壮感を実感することがなかなかできません。私たちの生活に目を向けてみるとどうなっていますか。皆さん豊かになっていますか?
ええ?今ってバブル期超えの好景気なの??ウソでしょ!?
実は、現在はバブル期以上の好景気なのだそうです。
バブル期の派手な生活
ボディコン姿の女性がディスコのお立ち台を占拠し、週末の夜ともなれば、東京の繁華街には1万札をかざしてタクシーをつかまえようとするサラリーマンが路上にあふれました。
映画「私をスキーに連れてって」が大ヒットし、苗場や志賀高原といったスキー場は若いカップルのリフト待ちの行列。「財テク」が流行語になり、日経平均株価は史上最高値の3万8915円まで上昇。地価は高騰し、都心には“億ション”も登場しました。
今から30年近く前、4年3か月続いた「バブル景気」の光景です。出典:https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0622.html
バブルって平野ノラの印象しかないですが、すごかったんですね。
実感はないですが戦後3番目の好景気なんです
2012年12月に日本経済は景気回復を始め、今月までで4年7か月にわたって回復を続けている可能性が高いと判断しました。「バブル景気」を超え、戦後3番目の息の長い「好景気」になっているというのです。
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0622.html
そして現在、好景気の長さではバブル景気を超え、いざなぎ景気すら超えるかもしれないそうです。本当に!?
景気がよくなっているはずなのに、実感できない…
しかし、景気がよくなっていると実感できる人がどれだけいるでしょうか?事実バブル期のような派手な生活なんてとてもできません。景気がよくなっているはずなら給料も上がるはずです。
あれ?好景気なのに、給料上がらない
NHKが調査会社の三菱UFJリサーチ&コンサルティングに「いざなぎ景気」「バブル景気」との比較調査をさせたところ意外な結果が出ました。
GDPの伸び率
全然上がってない…。
個人消費
全然上がってない…。
実質賃金
下がっとるやないかーい!!そりゃあ、給料が下がっているなら、いくら景気が良くても個人消費なんて上がりません。「景気いいですわー!」なんて好景気を実感なんてとてもできません。
何かが根本的におかしい。世界一優秀な労働者がいるのに、好景気なのに給料も上がらない。
日本は足元から死につつある??
私が、東京から地方の小さな街に戻ってきて二年がたちました。東京に住んでいた頃は、日本が衰退しているなんて全く実感できませんでした。しかし二年この小さな田舎街で生活し、地方の死をリアルタイムで目の当たりにしています。
増えるシャッター商店街
地方ではシャッター商店街が増えています。私が住んでいる中部地方の田舎街。うちの最寄駅前も、もれなくシャッター化。
子供のころは小さな本屋やおもちゃ屋さん、駄菓子屋や喫茶店などいろいろなお店がありました。
今では駅前というのにコンビ二もなく、ファーストフード店すらありません。とても不便です。
増える“シャッター商店街”
老人の街
そもそも、街に人影がありません。たまに人影があったとしても、歩いているのは老人のみ。若いお母さんや、子供の姿は見かけません。
街中歩いてると老人しかいないんだけどこの国ヤバイんじゃない?
小学校が消えていく
私が通っていた小学校は、子供が少なくなったために数年前に廃校になりました。子供たちは隣町と合同の新小学校に通っているそうです。10キロほど離れているのでバスで通学するとの事。かつては歩いて通えた小学校ですが、毎日の通学も一苦労です。
全国公立小中高など、14・15年度の廃校は997校 文科省調査
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG12H7J_T10C17A1000000/
苦肉の策として学校を超えた連合チームができている
地元の中学校では、野球部も部員数が少なくなり、維持できないそうです。苦肉の策として、近隣の三校ほどで連合チームを結成。その連合チームで大きな大会に出るそうです。私の子供のころには考えられません。
連合チームが結成できるのはまだ良い方で、廃部になった部活がいくつもあるそうです。
少子化で連合チーム増加、底辺拡大へ本格取り組みを
出典:https://www.nikkansports.com/m/baseball/column/yuki/news/1857976_m.html
地方は、ゆっくりと死んでいく
若者は仕事を求めて都会に出ていき。都会に出られない若者は金が無いため結婚できず。結婚しないので子供が産まれず。人が出て行くので空き家が増え。残された老人ばかりになってしまった街。
多数派である老人達は、変化には対応できないし、今さえよければそれでいい人達。当然、未来の子供たちのために何かをすることはありません。自浄作用が無く、現状より悪くなることはあっても良くなることはありません。ゆっくりと死んでいるんです。
夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…
歴史上、世界のどの国も体験したことがない未曾有の人口減少時代に突入した日本。約50年後には、4600万人もの人口が減る厳しい未来が待っている。
夕張市ほどひどくはないとはいえ、ゆっくりと死につつある地方都市は日本全国にあるはずです。
もう手遅れ
今後日本の人口はもっと減っていきます。20年後には、この国からまるっと東京都の人口分が減るそうです。
人口減少は確定事項でくつがえることはありません。人間が減るし、子供も若者も増えることはないので、仕事も魅力も無い地方は今後も衰退します。地方が衰退するなら、日本の国力も比例して衰退していきます。
経済大国日本が落ちぶれる日も、確定事項。確実に訪れる未来です。
問題はたくさんある
日本人は優秀なはずなのに、日本という国は衰退する未来がほぼ決まっています。
我々は「経済大国」「日本の技術は世界一」などと驕り高ぶり、危機感を持たずに、問題を見て見ぬふりをして何の対処もせず、どうしようもできない所まで来てしまいました。
【まとめ&続く 】世界一優秀なはずの日本人、なぜこんなことになっているのか?、次回に続く
この国とともに、あなた自身もゆっくり死んでいくのか。死中に活を求め、痛みをともなうような大きな変化を受け入れて前進しつづけるのか、選ぶのはあなた次第です。
大人が良いと言う事はだいたい間違っています。世界一優秀な労働者を使っているのに、「一人あたりの労働生産性は先進国中最低」「モチベーションも先進国中最低」にしてしまうような人たちです。バカどもの言うことはだいたい間違っているので、あなたは新しい時代を生き抜く新しい知識やノウハウが必要です。
日本と共に貧困の蟻地獄にハマる前に、現状を知り、蟻地獄から抜け出すための努力をしましょう。
次回からは、日本のその他の問題なども考察しながらこの時代を生き残るためのキャリア構築法を模索していきたいと思います。
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