ざっくり言うと
- 転職に成功できない一番の原因は応募数が少ないから。
- 実は、エントリー⇒書類通過⇒面接⇒内定と一発で行かない方が多い。
- 内定をもらうために何件応募すべきかをデータからご紹介。
目安を教えてください。
リクナビNEXTで2社にエントリーしてみました。しかし面接まで進めませんでした。
面接に進むには何社に応募すべきでしょうか?
また何社に応募すると内定が取れるのか目安も教えてください。
今回は、各転職支援会社が調査した内定をもらうまでの応募数データをご紹介。自分の応募数が妥当なのか、進め方が正しいのか、効率的なのかを把握しましょう。
何社に応募しらいいの?という疑問にお答えします。
【調査データ】転職で内定をもらうには何社に応募したらいい?
※転職活動は3ヶ月が目安。その期間中に20社前後へ応募するスピード感で進めましょう。
転職で内定を獲得をするにはどれだけの会社へ応募する必要があるのでしょうか?転職エージェント大手の3社が自社の転職サービスを使い転職に成功した方々のデータを集計・公表しています。調査データから内定獲得に必要な応募社数をご紹介します。
17社(dodaの調査結果)
13.1社に応募した人は、3.2社の一次面接(書類選考通過)を受け、次のステップに進めた0.8社の中から内定を得ている。つまり1社の内定を得るためには最低17社に応募する必要がある
18社(リクルートキャリアの調査結果)
18社応募すると半分程度が書類選考を通過し、10社前後面接に進んだ中から1、2社程度内定
11社以上に応募が最多(@typeの調査結果)
内定獲得者を対象にしたアンケートでは11社以上に応募したケースがもっとも多く、内定獲得者全体のうち28%が11社以上に応募している。
出典:データで見る初めての転職
平均で17、18社に応募しているケースがもっとも多い。転職に成功するには数をこなすことが必要です。
3ヶ月20社を目安に転職活動を進めよう
私の転職エージェント経験からの肌感覚でも、だいたい3ヶ月間で20社前後に応募するようおすすめしています。最初の1ヶ月で5〜7社ほどに応募し書類や面接対策をブラッシュアップ、納得できる内定を獲得できるまで転職活動を進めます。
応募数調査データの内訳
リクルートキャリアが調査データの詳細な内訳を出しています。年齢や性別によって何社に応募しているのか細かな数字を見てみましょう。
今回の転職活動で応募した数(リクルートキャリア)
全体(男女全年齢)からわかること
- 全体平均応募数は「18.27社」、内定獲得のためには数をこなす必要があることがわかる
- 「16〜20社」に応募したケースが最も多く18.3%
- 10社以上に応募した割合は全体の72.8%
男女の違いからわかること
- 男性の平均応募数は18.81件、女性は15.30件
- 女性の方が応募数は3社少ない
(女性は内定獲得しやすいのか?あるいは男性の回答数445に対して女性の回答数は82件と少ないことからも特別優秀な女性からの回答が多いのか?あるいは女性は結婚や妊娠などで早期に辞める事が予想されるので、企業側もハードルの低い募集しか出しておらず、応募数が3社少ないのか理由は判別がつかない) - 調査数に大きな差がある。男性445人に対して女性82人。女性が少ないのは、内定を取れなかったのか、転職が少ないのか、女性労働者が少ないのか、たまたまアンケートに返答しなかったのか不明。
男性:〜25歳からわかること
- 「16〜20社」に応募したケースが22.2%と最も多い
- 早く決める派(5社以下:33.4%)とじっくり決める派(10社以上:61.1%)がいるようだ
- 就活に失敗し慎重に転職活動している第二新卒もいるようで、たくさんの企業に応募して吟味している層がいる
- 2社で決めている割合は11.1%と全年代の中で最も高い、若いだけあって内定を早期に取りやすいようだ。未経験OKの求人も多く、適職を探すために異業種への転職するなら、経験を問われないこの年代が一番良いことがわかる
男性:26〜30歳からわかること
- 「16〜20社」が16.7%と最も多い
- 5社前後で決めているケースも多いので、経験+履歴書のスペック+転職回数の少ないことなどの要因によりすんなり決まるケースが多いと予想できる
- 5社以下の早く決める派は32.3%
- 20代男性はたくさん応募しじっくり吟味しながら探すこともできるし、応募数は少なくすぐに決めることも可能、どちらにしろ売り手市場
男性:31〜35歳からわかること
- 「10社」が最も多く20.5%、次が「16〜20社」の18.9%
- 「10社」が最も多いのは、30代になり10社以下で決めていた早く決める派が苦戦し「10社」に入ってきたことが要因か?
- 転職者数は122人で全層で最も多い
男性:36〜40歳からわかること
- 「16〜20社」応募が最も多く16.3%
- 応募平均が19件まで上がる
- 「31社以上」応募が16.3%。他の年齢では5%前後なので苦戦している層がかなり多くなる
- 応募数が少ないケースと多いケースがあり、実績が評価され引く手あまたのケースと、未経験に挑む層や実績不足などで面接に苦戦している人がいるようだ
男性:41歳以上からわかること
- 「31社以上」が最も多く26.8%、平均応募社数も23.33件で全年代通してもっとも多い
- 条件が合わない(内定は出るが辞退:管理職ではなく平社員 or 給料が安いetc.)のか、そもそも採用されないのか不明とはいえ苦戦している様子
- 転職は長期化することが予想されるので、在職しながら長期戦で良い会社を見つけるようにしよう
- 転職エージェントを使った通常の転職活動では苦戦することがわかりきっている、40代になる前にしっかりスキルアップや人脈構築をし、確度の高いヘッドハンティングや紹介で転職できるような強いコネを作っておきたい(あるいは起業)
女性:〜25歳からわかること
- 「10社」が最も多く25.9%、次いで「6〜9社」「16〜20社」が同じ12.5%
- 男性24歳の平均応募数は14.56、女性25歳の平均応募数は12.56、女性のほうが少ない応募数で転職している
- 早く決める派が多い一方、男性と同じく第二新卒で就活に失敗した層が慎重に活動している様子、16社以上というケースも多い
女性:26〜30歳からわかること
- 「16〜20社」が最も多く25.0%
- 傾向としては女性〜25歳と似ている
- やはり同年代の男性と比較しても少なく決められている様子
女性:31〜35歳からわかること
- 「5社」「10社」「16〜20社」が同数で最も多く15.4%
- 平均応募数が女性の全年代通してもっとも少ない11.35社
- 傾向がバラけることと、応募社数が少ないことから結婚や育児から再就職した層がハードル低めの仕事に就いたのかもしれない
女性:36〜40歳からわかること
- 「31社以上」が最も多く27.3%
- 「5社」で決めるケースは2番目で18.2%
- キャリア思考とハードルの低い事務職希望など2極化しているのかも
- 男性より平均応募数が多い、転職に苦戦している
女性:41歳以上からわかること
- 「16〜20社」が最も多く60.0%
- とはいえ、女性:41歳以上はたった5人しかいないため一般的な傾向は読みずらい
- 男性より平均応募数が多い、転職に苦戦している
20社に応募して内定はどれだけもらえる?
※半数以上が20社応募して1社のみしか内定がもらえませんでした
今回の転職活動で何社から内定が出ましたか?(リクルートキャリア)
男女全年齢全ての中でも1、2社から内定をもらうケースが最も多いです。ショッキングですが半数を超える53.5%が「1社」からしか内定をもらっていません。
転職を成功させるキャリアプランの考え方
応募20社でようやく内定1社というショッキングなデータが明らかになりました。転職はそれだけ難しく大変だということですが、成功させる秘訣などあるのでしょうか?
ここでは、夢を叶えた人がどれだけいたのか調査した面白い実験を紹介しつつ、成功するために大切な考え方をお伝えします。
夢を叶えた人はたった2%?成功したのは偶然!?スタンフォード大学 クランボルツ教授の研究結果
スタンフォード大学の教育学・心理学の教授であるジョン・クランボルツらが行った調査によると、18歳のときに考えていた職業に就いている人は、たった2%しかいなかったとのこと。夢を叶えるのは難しいんですね。
18歳のときに考えていた職業に就いている人は、全体の約2%にすぎなかった
また同教授の、米国で成功したビジネスマン数百人を対象にした調査では「自分の今のキャリアは予期せぬ偶然によるものだ」との答えが80%にものぼりました。
社会的成功を収めた数百人のビジネスパーソンの約8割の人が、「自分の現在のキャリアは予期せぬ偶然によるもの」と答えた
偶然が支配するからゴールを設定して頑張るのはナンセンス? 「計画された偶発性理論」とは?
これらの研究結果に基づいて構築されたのが、計画された偶発性理論(プランド・ハップンスタンス)です。
世の中では目標設定の重要性が説かれています。曰く「5年後の自分の姿を思い浮かべて何がしたいか?決めて目標設定をしてください。」
「そこから逆算して、3年後、1年後、半年後、3ヵ月後、1ヵ月後、1週間後とブレイクダウンして、今日の目標を決めて、一生懸命取り組みなさい。」という、いかにも論理的で、理路整然として、このようにすれば、すべて上手くいきます。と正しいことを言っているかのように聞こえる目標設定論。
しかし、8割も偶然で決まるとしたら目標設定に意味があるのでしょうか?
また10年後には50%の仕事がAIに奪われなくなるとも言われています。さらに米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンによると、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」とのこと。
2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう
キャシー・デビッドソン
急激な勢いで古い仕事は消え、全く新しい仕事が生まれる中で、私たちに求められるスキルも変化しています。
このように未来が予想できないスペードで変化する中、はたして自分の理想のキャリアを夢想した目標設定に意味はあるのでしょうか?
クランボルツ教授は、キャリアは偶然に作られる以上、中長期的なゴールを設定して頑張るのはナンセンスであり、努力はむしろ「いい偶然」を引き寄せるための計画と習慣に向けるべきだと主張しました。
不透明で急激な変化のある、未来予想ができない時代。計画を立て、今の時点で考えられる道筋を固めて、視点を狭めて、人生を着実に進めていこうとするアプローチでは変化についていけません。
今後一切キャリアの意思決定はしないでほしい!
クランボルツ教授は「今後一切キャリアの意思決定はしないでほしい」とその著書で主張しています。転職エージェント経験10数年の私自身、この強烈なメッセージに衝撃を受けました。
調査からも明らかなように、キャリアの多くは予期しない偶然の出来事によって支配され決定します。将来の目標を明確に決め、そこから逆算して計画的にキャリアを作り込んでいくなような方法は現実的ではないのです。むしろ優柔不断くらいでよく、心を開いた状態で、予期せぬ出来事を柔軟に受け止め、良い偶然を引き寄せるよう行動した方が明るい未来を獲得できます。
良い偶然を引き寄せるために数をこなす
転職大手エージェント各社の調査データから「応募数が20社前後必要」と知り、「そんなに応募しないといけないのか!?」と動揺した方も多いと思います。
しかし、この「計画された偶発性理論」からもわかるように、良い偶然を引き寄せるには、ある程度数をこなす必要があります。
転職を成功させる、本当に大切な考え方まとめ
- 転職(だけでなくあなたのキャリアも含め)を成功させる要素は、偶然があまりにも大きい
- 良い偶然を引き寄せるための行動をしよう
まとめ
- 3ヶ月で20社への応募を目安に進めましょう。
- 20社応募で1、2社内定
- キャリアは偶然に作られる「いい偶然」を引き寄せるための行動をしよう
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